序章 「旅人」
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青年は椅子に座り、頬杖をついて窓の外を眺める。 店の従業員が注文を取りに来るが、青年はそれに気付いていないのか何も答えない。 「お客様。ご注文は?」 多少苛々した従業員の声で漸く気づき、適当に頼むとまた窓の外をぼんやり眺める。 何を考えてるかは彼以外に誰も分からない。 しかし、ぼんやりしているだけかもしれないし、深い何かを考えてるかもしれないが……彼にとってそれらはまず如何でも良い事である。
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