序章 「旅人」

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運ばれてきた料理を青年は機械的に口へ運んでいく。 まずそうとも美味しそうともいえない顔をしながら。 目線は空を彷徨い、何処を見ているか良く分からない。 頼んだ食事の見た目はそんなにまずそうにも見えない。 「……はあ」 青年は時たま、ため息をつく。 複雑な表情から一転、暗い表情へと変わる。 それから暫くしてまた複雑な表情に戻る。 それを食事中に何回も繰り返した。
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