苺オレと初雪と、愛するよりも愛されたい

7/10

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
  「だってお前の言い方じゃ、まるで俺と学校通えなくなるのが嫌みたいだぞ」 「嫌、ってわけじゃないのよ。ただ寂しいなぁ、って」 「寂しい?」 「そう」  風子がしんみりと手の中のカフェオレの缶に目を落とすので、俺はちょっと笑ってしまった。 「寂しい、つったって一生の別れなわけじゃねえだろ。一緒に登校しなくたって学校で会うし、話だってするだろうよ」 「ううん、太一は一緒に学校行かなくなったら、絶対口きいてくんなくなる。誓ってもいい」 「ずいぶん信用ないのな。俺がそんな奴だと思ってるわけ」  呆れかえって頭を掻くと、顔を上げた風子は、真剣な瞳で俺を見据えた。 「信用してないんじゃない。信用できないの」  ますます俺の顔は苦くなる。つまりは一緒じゃないか。  しかし、俺がなにかを言おうとする前に、素早く風子の言葉が滑り込んできた。  
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加