淡路島戦区

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2016年8月2日、新日軍南あわじ基地 この日の基地内はいつもに増して慌しかった。 それは、明日に迫った『ある作戦』の為だった。 いつもならほぼ放置されている戦車などの兵器も、珍しく整備されている。 この様子で、明日に迫ったその『作戦』がどれだけ大規模なものになるかが見て取れた。 明日に迫ったその作戦名は『オペレーション・エンド』と呼ばれている。 その作戦内容は、第3・第4空挺団による空挺作戦による日本軍基地奇襲作戦だった。 それは、攻撃ヘリ・装甲車・戦車なども投入される、大規模作戦だった。 この作戦のために、新日軍は空挺団を増強したのだ。 もともと100名程度しかいなかった新日軍の空挺団を4つまで拡大し、総員を400名とまでにした。これは新日軍が絶対に淡路島は取らせないといった覚悟の表れでもあった。 この作戦によって、淡路島の戦闘は終結すると、新日軍の誰もが思っているほどだ。 泥沼化したこの戦闘も終結すると思えば、否応無しにも新日軍の士気は上がっていた。 戦力も、モチベーションも完璧なこの戦闘は、短期決戦を予定している。 この重要な地域を争う戦いの勝者がどちらになるのか―― それは誰も知らない。 だが、戦場の隊員と後方の司令官の両方が上手く機能しないと新日軍には勝利はない。 この戦いに投入される戦力は新日軍が250名。対する日本軍の防衛戦力は淡路島に投入されている全戦力の400名となる。 2倍近い戦力差を奇襲である程度減らした後、増援の機甲部隊で全滅させるという作戦だ。 だが、そう簡単に事が進まないのが戦争と言うものだ。 そして――2016年8月3日、午後2時 オペレーション・エンドが開始される――予定だった。 しかし、その前の2016年8月2日、午前2時 南あわじ基地に1つの爆音が響いた。
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