信じること

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今日、宿ったことが分かった 新しい命。 そして、半年近く 生きようと頑張っている命。 どちらも同じ命なのに、自分の中に起こる感情は正反対だ。 「良かった!って喜んでいるのに、頭の片隅で一志君の事を考えているの。比べるものじゃないのに、ふっと我に返るの」 病床で病と闘う一志をずっと見て来た。父親と兄の事も片付いて、気にやむ事はなくなった。 なのに、容態が良くなるどころか悪い日が続く。 どうにか、どうにかと必死に命を繋ぎ止めているのに…新しい命は次々と宿っているんだ。 別にそれが悪いわけではない。 仕方のない話 どうしようもない話だ。 だけども 考えてしまうのだ。 「百花、一志君を可哀相とか思っているなら止めろよ」 「え?」 礼斗の厳しい口調に、身体が 緊張する。 「一志君は生きる為に、頑張って闘っていると分かっているのに、苦しむから可哀相なんて思っていたら失礼じゃないか?美波ちゃんの赤ちゃんは関係ないだろ。何故、一緒にしてしまうんだ?しているだろう」 「…………っ!」 喉の奥がつまり言葉が出ない。 …言われた通り なのかもしれない。 .
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