天使な人

6/9
前へ
/164ページ
次へ
たどり着いた場所は、駅前の喫茶店だった。私の目の前には温かい紅茶が置かれている。 確かに、寒い外に比べたら座れるし温かいから良いけれど…それは、元気が良い時の話だ。 熱のせいだろう 温かくてもゾクゾクする。 目の前に座る間中は、楽しそうに何やら話しているが私には全く耳に入ってこない。 「ん…百花ちゃん、どうしたの?」 やっと私の異変に気付いた 間中…遅いよ。 「もう…限界れす…帰らせてよぅ」 辛くてポロポロと泣き出すと 間中は慌て出した。 ふと、間中の手が伸びてきて私のオデコに触れた。 白い手のイメージ通り とても冷たい感触。 いつもなら、その冷たさに驚いていただろうけど今の私には心地良かった。 「熱…凄いある…何でもっと早く言ってくれないのっ!?」 言った…何度も… 聞かなかったのは自分なのに 私のせいなんだ。 オロオロする間中の手元に置いてある薬をくれれば、多少楽になれると思うんだけどな…… 「あっ!そうだ…羽柴っ」 突然、叫んだと思ったら携帯電話を取り出しどこかに電話をかけ出した。 直ぐに電話を切った間中は、今にも泣きそうだ。 「ごめんね…百花ちゃん。直ぐ何とかするから」 また、間中の 冷たい手が触れる。 これだけは気持ちいいのにね。 .
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9792人が本棚に入れています
本棚に追加