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たどり着いた場所は、駅前の喫茶店だった。私の目の前には温かい紅茶が置かれている。
確かに、寒い外に比べたら座れるし温かいから良いけれど…それは、元気が良い時の話だ。
熱のせいだろう
温かくてもゾクゾクする。
目の前に座る間中は、楽しそうに何やら話しているが私には全く耳に入ってこない。
「ん…百花ちゃん、どうしたの?」
やっと私の異変に気付いた
間中…遅いよ。
「もう…限界れす…帰らせてよぅ」
辛くてポロポロと泣き出すと
間中は慌て出した。
ふと、間中の手が伸びてきて私のオデコに触れた。
白い手のイメージ通り
とても冷たい感触。
いつもなら、その冷たさに驚いていただろうけど今の私には心地良かった。
「熱…凄いある…何でもっと早く言ってくれないのっ!?」
言った…何度も…
聞かなかったのは自分なのに
私のせいなんだ。
オロオロする間中の手元に置いてある薬をくれれば、多少楽になれると思うんだけどな……
「あっ!そうだ…羽柴っ」
突然、叫んだと思ったら携帯電話を取り出しどこかに電話をかけ出した。
直ぐに電話を切った間中は、今にも泣きそうだ。
「ごめんね…百花ちゃん。直ぐ何とかするから」
また、間中の
冷たい手が触れる。
これだけは気持ちいいのにね。
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