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セレナの歩みは、徐々に遅くなっていく。足に重しでも付けているかのような、そんな様子だ。無理もない。三時間ほど、ひたすら歩き続けたのだから。
少し先を行くシオンは、ふと立ち止まった。彼女を振り返って、本日何度目かの言葉をかける。
「休みましょう」
「……そう、しま、しょう、か」
息を切らして、彼女は応えた。彼の言葉に幾度も首を横に振ったが、ついに折れたらしい。ふたりは、すぐ傍にあった喫茶店へ入ることにした。
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