もう一度

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   毎日のように、シオンは少女――セレナの元へ訪れた。ふたりは、ひとつふたつ言葉を交わすくらいで、ただ同じ時間を過ごすのみだった。理由はシンプルなものである。彼女は特に話すことも無かったし、彼はそれだけで十分に満たされたからだ。  しかし、この日は珍しく会話が続いた。彼女から彼に話題を持ちかけたためだろう。 「空を飛びたい、ですか」  彼が言葉を返すと、彼女は頷いた。木の枝から、ちゅんちゅんと雀が飛び立つ。彼女はそれに目をやると、僅かに顔を曇らせた。 「でも、鳥が羨ましいとは思いません」 「意外ですね」  彼は目を細めた。 「だって、鳥は自由なんかじゃないから……」  彼女の瞳が、まっすぐに彼を捉える。空気が凜と引き締まった。
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