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「わかってるさ。蓮にはオレや香恋がいないといけないからな」
「まぁ、今のはもしもの場合にはそうしてってことを伝えておきたかっただけだから」
二人は明るく振る舞って見せてはいるがなにか不安を抱いている様子に見える。
しかしこの時の私は二人の心情を察することはなかったのだが、これが後になって後悔することになるのは少し先の話。
「じゃあ、今度こそ本当に出発するよ」
「できるだけ早く帰ってくるからな」
「二人ともいってらっしゃい」
私は転移していく悠紀と香恋の姿が消えてからもしばらくその場を離れずにそのまま立っていた。そして思い出したかのように夕飯の準備に取り掛かった。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「優里!!蓮君!!ちゃんと席に座って食べなさい」
「「は~い!!」」
蓮と優里は蓮が来てから今までずっと遊んでいたらしく、少し疲れを見せながらもまだ元気な姿を見せている。
これが子どものパワーってやつなんだろうか?
私は子どものパワーに感心しながらもまだ元気溢れている蓮君と優里に夕飯を出す。
今日の夕飯は二人が大好物なカレーだ。二人はカレーの匂いをかいだ時からずっと楽しみにしていたらしく、先程から手伝いをして早く食べようとしていた。
「じゃあ、準備ができたところだし、いただきましょうか」
「は~い!!いただきます!!」
「「いただきます!!」」
優里が挨拶をすると私と蓮君も一緒になって挨拶をした。これで楽しい食事の時間になるはずだった。
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