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「蓮君、そんなに辛い過去があったのにむやみに聞いちゃってごめんなさい!!」
「オレは大丈夫ですよ。今となってはオレを強くする原動力にもなった過去ですから。だから頭を下げないでください」
紫乃先生はオレが頭を下げないでって言うまで、何度も何度も頭を下げてオレに謝っていた。
オレとしては年上から頭を下げられるのはどうしてもなれないものがあるので、早くさっきの紫乃先生に戻ってほしかった。
そこから紫乃先生を元に戻すのは少し時間がかかってしまったが、目が潤んでいること以外はだいたい元に戻ってくれた。
紫乃先生が戻ってくれたので、梓さんは話を続ける。
「紫乃先生にはまだ言わないといけないことがありますね。それは蓮君の正体です」
「学園長その前に一つだけ聞いても良いですか?」
「何でしょう?」
「いや、先程聞いた蓮君の過去では手紙が二枚あったようですけど、一枚は蓮君の両親からのもの。では、もう一枚の方には何が書いてあったんですか?」
まさか紫乃先生がもう一枚の方の手紙について話してなかったのを聞いてくるとはオレや梓さんは思ってもいなかった。
ここで聞いてこなかったら軽く流しておくつもりであったけど追求されたら仕方ない。
オレは梓さんにアイコンタクトをとると梓さんはすぐにOKのサインを示したのでオレから話すことにする。
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