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「実は、もう一枚の手紙には王室からのものでした。内容は両親が行方不明になってしまったオレへ、自分で働けるようになるまで生活費をくれることでした。それと一緒に書かれていたのが梓さんへの王室警護の依頼です。」
「へぇ?学園長に王室警護の依頼が来たことがあるんですか?」
紫乃先生は梓さんにも王室警護の依頼が来たことを知ると少し興奮した感じで梓さんに聞いている。
王室警護の職に就けるのは本当に実力がある者である証。
紫乃先生にはそんな梓さんが学園長を務める学園にいられてかなり光栄だと思っている。
「紫乃先生、私のことをどう思っているかはわかりませんけど、その時の私は丁重にお断りしましたよ。」
「えぇ!?学園長なんでお断りしたんですか?魔法を使う者なら憧れる職なんですよ!!」
「だって、私には蓮君と娘の優里を育てないといけなかったんです。それに加えて王室警護の職なんかに就いたら、両方ともダメになりかねるでしょう。だから、私は子ども達を優先にしました。子ども達がいれば私は富や地位なんかはいりませんから。」
梓は紫乃先生にストレートに言ってあげた。この主張はかなり素晴らしいものだと誰もが思うはず。
当然、紫乃先生もそれにすぐに気づかされてかなり納得した表情になっている。
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