始まり 

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「ハァ、分かりました。とにかくアナタは天国に行く資格が十分有りますので、どうぞあちらの扉を入って下さい、そこから屋上に行く階段が有るんで、屋上に行ったら、天国行きのエスカレーターが有るんで、それに乗ったら、あっという間に天国へ行けますので」  そう言って、死神が手を向けた先には、先程通った扉よりやや小さめの白い扉が、言われなければ気付かない程ポツンとあった。 「あれが……ですか?」  さすがに青年は、若干不審を抱きながら、その扉を指差した。               「えぇ、見た目はアレですけど本当です」  軽く苦笑して答えた。 「……分かりました。では有り難うございます」 「はい、ではお気を付けて」  そしてその扉から部屋に出ようとした時何かを思い出したのか、青年は急いで死神本人の前まで走って来て。 「すいません先程黒い髪の少年に、この部屋の人に封筒を渡してくれと、頼まれてたんでした」  そう言いながら青年は、ではッと黒い封筒を死神に手渡した後さっさと扉に入って行ってしまった。
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