始まり 

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    ◆ ◆ ◆     「ふん、流石は俺の息子だな……ん?」  死神は感心しながら手紙見ていたが、途中最後の行に小さく文字が書かれていた。 『P.S とっとと死んで俺に座を寄越せクソ親父』  途端鴉のストラップが急に光出したと思った瞬間…………  爆発音、それも以上な程の爆発と光が最上階の一角を包みビル全体を揺らす。  そこから数分後大急ぎで駆け付ける足音、そして勢いよく死神の部屋の扉が開かれる。 「どうしました死神様!?ッて何ですか!?この状況は!?」  急いで入って来た社員Aの見た光景は、窓ガラスが全て割れてディスクは木っ端微塵となり、その中心には、死神がボロボロになって顔を俯せて、立っていた。 「し……死……死神様?」 「………がせ……」 「へ?」 「……探せッつてんだ……」 「あの……死神様?」 「とっとと俺の馬鹿息子探せッつてんだぁぁああああああ!!!!」            顔を上げた死神の顔は怒りで鬼神の如き顔で叫んだ。 「ヒィィイ!!はい直ぐに探して来ます!!」  そう言って颯爽と社員Aは扉から飛び出して行った。 「あんのバカ息子がぁ、帰って来たらマジ殺す」  愚痴を零しながら死神は一呼吸するとこの世の物とは思えない程の巨大な声で 『全社員に次ぐ!!黒神のバカが生界に行った!!今すぐ行ける奴は生界へ今すぐ行って黒神を探せ!!一週間以内に見つからなかったら全員給料ナシじゃぁぁああああ!!!!』 こうし黒神が生界に行った事が死別界全土に知れ渡り、全員黒神を探して、何よりも己の給料を賭けて、みな死に物狂いで探し始めた。       ◆ ◆ ◆ 『続いてのニュースをお送りします、先程未明死別界の<審判の塔>にて死神様の間で爆発事故がありました。 犯人は死神様の息子である黒神様の犯行の模様です。 尚、被害状況は最上階の塔の大破及び、爆発の衝撃で土井 次郎さんが<ヤコブのエスカレーター>から落下し現在行方不明です。 以上で今日の世の中のニュースをお送りしました。 それではまた明日』  
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