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「とりあえず、お母さんかお父さんを呼んでもらっていいかな?」
なんだか体がだるくて、体中が痛くて、行った病院での言葉。
アノヒト達が、来る筈が無い。
私は自然と言葉を紡いでいた。
「あの、父も母も忙しいんです。病状だけでも、教えてくれませんか?」
私の言葉に渋い顔をする医師。
わかってる。
私は唯の十五の小娘で、アノヒト達の“子ども”に過ぎないの。
「お願いします。」
「……ダメだ。」
医師の躊躇った表情や、震える声でなんとなく分かる。
私は、かなり悪いのだろう。
思考が止まらない。
止めたいのに。
厭な想像が溢れ出してくる。
「とりあえず、入院になるね。幸い、この病院には、まだベッドの空きがあるから。お母さんの連絡先分かる?」
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