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ソレは、ココに来る前に渡された――
ジャケットの内ポケットから引っ張り出すと、それをシェイカーに投げ付ける。
パン!
――と
シェイカーの胸元で勢いよく割れたのは丸い、これも筒型の“小瓶”。
眉をひそめるビストの目に映るのは、凍り付いたシェイカーに降り掛かる“銀”の粉末。
ビストは、目を見開いた。
シェイカーを覆う『蒼氷』が、消えた――!?
『溶けた』のではない。
“銀の粉末”が接触した端から、まるで灰となって散り消えるように。
そのビストの反応に少しだけ満足して、シェイカーは軽く肩を回す。
「察しの良さそうな君の事だ。大方の予想は出来るだろう?」
銃口を向け、挑発的に言うシェイカーにビストはギリと歯噛みする。
「この『蒼氷』は、彼の者の『霊気』の氷………単純な熱での氷解はおろか、衝撃で砕くのも容易では………と言うより不可能に近い………だとすれば」
「御明察」
良すぎる察しに、シェイカーは呆れたように一つ息を吐く。
「『E.S.P Destruction』徹甲弾………あれの弾頭の粉末だよ」
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