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人柄も良く、人数が少ない(※事務員を除けばこの親子二人きりです)ながらも陣頭指揮を的確に手際よくとり、事実、アルベルト課長によって『陰契課』は支えられていた。
テイラーにしてみれば、目標だったとも言える。
その『アルベルト課長』が電撃辞任して―
後任の課長が就任するまでの間、部長の『ウェルダ=ケーニヒ』が兼任課長を努める事になった、と言うわけであるが……
テイラーは、深~い溜め息吐きながら、渋々ロイナスの隣に腰かけた。
「バーテンさん、水割り」
「水で!」
危うくオーダーされかけたのを即座に制す。
ちっ―とか舌打つロイナスはさておいて。
ケーニヒ部長とは、イグレシオン署の一番の古株で重鎮。
署長にすら発言力を持ち、厳格な性格は署内では知らぬ者は本当にいない程である。
まぁ、そう言った所ばかり著名になってしまうのが世俗の常というヤツだが……
で、そんな部長が兼任課長を務めて一月。
「本気で刑事辞めたいとか思ったの、初めてだな~父は……」
チロリ、とロイナスに視線送った後、テイラーは出された水を一あおり。
まぁ実際、その厳しさは半端なモノではなかった。
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