序章:「やってきました新任課長…と、え?課長補佐!?」

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 気持ちを高潔にするにはまず掃除から、とかで毎朝勤務時間外にオフィスと課長室の掃除をやらされるわ、自分のデスクが少しでも散らかっていると、“弛んどる!!”とかで署の周囲を30周程ロードワークで走らされたり…  報告書の誤字・脱字が見つかると、一字ごとに反省文十枚。  内容の要点がつかめないような報告書なら反省文二十枚などetc…  挙げ句遅刻なんぞしようモノなら、五分ごとに反省文五十枚。  厳しいと言うよりも、ほとんど虐めに近い。  何でも兼任課長を務めてる間、『陰契課』の意識改革を実施している、と言うのをテイラーが聞いたのはつい最近の話。  この一月の間に、ロイナスもテイラーもどれだけの距離を走ったか、反省文を手がけたか、最早記憶にない。 「部長のやらんとしてる事もまぁわからん訳じゃないけどな……」  苦笑混じりにテイラーがそう言うと、ロイナスの眼は、地球外生物を見るが如く― 「え?わかんの?おまえわかんの?お父さんには理解不能だよ?さすがだねぇ息子君」 「ハラたつ…すげーハラたつんですけどこの酔っ払い………」  深い青筋額に刻んだ後、テイラーははぅ―と溜め息吐いた。 「アルベルト課長、どうしてるかな……」
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