我が子

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「………」   静かに玄関を開けると、薄暗い廊下を菜子が走ってきた。     「おかえりなさい!雅彦さん。お疲れ様。鞄持つわ」 薄暗い部屋で見る菜子はますます不気味で、鳥肌がたった。 「雅彦さん…今日も遅かったわね。呑んできたの?ご飯は?」   「…いらない」 憎い 俺の愛しい人を殺したんだ 殺してしまいたいほど、堪らなく憎い   でも……   「…正哉は?」
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