鈍いのは自分でもわかってる

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「でね、またあたしの方見て『太るよ』って言うしあの人を見下したような目!あームカつく!!」 「ふーん」 通いつめた喫茶店で、私と友達はお茶をしていた。 話すのはもちろんあたし。(つまり友達はあたしの話を聞き流すだけ) その子にとったら、迷惑きわまりないだろう。 でも止まらない。 「この前だってね、買い物してたら行きなり現れて。」 「ふーん。それで?」 じゅるるる…。 ジュースを飲み干した音が響く。 おかわりに行こうとする友達を「まだ途中!」と文句を言い、引き留める。(どんだけ迷惑なんだ、自分。) 「あたし気づかなくて!いきなり頭撫でられてビックリして怒ったのよ!『おどかすなばかぁ!』って。」 「ばかって…。」 「いーの。あんなやつバカで十分。んで、そしたら逆ギレしやがった!」 「のろけ話?」 「違う!」 一息にヤツの事を話した私は、妙に照れてしまった。 彼女は、「おかわりしてくる」と機嫌良く歩いていく。 ありえないありえない。 だいたい付き合っていないし。 のろけるような仲じゃないし。 「あれ?本当に気づいてないの?」 ジュースのおかわりをして、いつのまにか彼女は戻ってきていた。 「何が?」 「あんたそいつの事、好きなんだよ。」 鈍いのは自分でもわかってる 「(あんた好きになるとそいつの話しかしないし。)」 「え?あたしが?あいつを?好き?んなバカな(笑)」
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