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善は急げ、なんせ警察が来るまでにキモオタをぶっ飛ばして、俺の株を急上昇させないといけない。
そうと決まったら、そこからの俺は早かった。
未だにじたばたと暴れる少女に夢中なキモオタの背後に、できるだけ気付かれないように音を殺して近付く。
これが案外上手くいったようで、既に俺がもうキモオタの真後ろにいるってのに全く気付く気配がない。
これは好都合と心の中でほくそ笑みながら、利き腕である右手をゆっくりと上空に振りかぶり――
ガッ!!
勢いよく振り下ろす。
振り下された手刀は、寸分の狂いも無くキモオタの脊髄にめり込み、辺りには鈍い音が響く事となった。
よくアニメや漫画などである迅速かつ効果的な気絶法だ。
当然それを受けたキモオタは「うっ……」と短い呻き声をあげながら気絶――――
「いっいいい痛い!!凄く痛い!君いきなり何しちゃってんの!?これ君が想定してたより絶対に痛いよ!テラ痛いよ!?」
しなかったみたいですね。はい。
……べっ別に最初から成功するなんて思って無かったんだから!
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