プロローグ

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理由はどうであれ、少女を助ける立場にいた俺が、今まさにその少女に守る、いや、庇ってもらってるんだ。 奇妙な話だよな。 「なっなななな!!ぼっ僕が気持ち悪いだって!?」 信じられない。といった表情で驚愕するキモオタをみる限り、どうやら本当に心から自分の気持ち悪さを分かっていなかったようだ。 可哀想な奴。 「うん。凄く気持ち悪いにゃー」 そして無慈悲にも笑顔できっぱりと言い切る少女。 仕舞いにはキモオタは俯いたままブルブル震え出してしまった。 もしかしてコイツ泣いてんじゃね? 「おい、流石に言い過ぎ――」 「フンガーッ!例え子供だとしてももう許さないぞ!!」 ……では無かったみたいだ。 奥さん、聞きました??今この男フンガーッ!って言いましたよ!? プシューっと聞こえてきそうなくらい真っ赤になった顔に、フガフガうるさい鼻息。 果たして人間はここまで醜くなる事は可能なのだろうか…… そう思ってしまうくらい今のこいつは不細工だった。
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