プロローグ

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え?え?え? 俺共犯!? マジかよ!! そりゃ後で少女の証言によって俺の無実は証明されるだろうけど、あくまでも“後”の話だ。 こんなに沢山の人の前で一度警察に拘束される事は免れないだろう。 つまり公衆の面前で赤っ恥をかかされるということだ。 ふざけんなよマダム吉田!! 俺がマダム吉田を負けじと睨み返すと、警察との電話を終えたマダムが丁度携帯を閉じた瞬間だった。 携帯を鞄にしまったマダムは、先ほどとは打って変わった笑顔を俺に向けると、そのままの満面の笑みで親指を立ててこちらにサムズアップ―― を逆さまにした。 ちくしょぉぉッ!! こいつマジで警察呼びやがった! やたら善行を行った後の達成感に満ち溢れた顔してんじゃねぇか!! いっその事ここはとんずらぶっこくか!? 元々迅に無理やり助けろって言われただけだし、赤っ恥までかいて助ける義理は無いだろ。 だいたい警察が来るなら少女だって安全だろうし……
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