エピローグ

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くる日もくる日も、直哉とは色々話し合った…。 『俺が居るから大丈夫さ‼』 そう直哉は、いつも私に言ってくれたけど、私にはマリッジ・ブルーの様な不安が脳裏に焼きついて消えなかった。 暫くして、彼はやむなく単身で渡米をした。 その後も遠距離で連絡はしていたけど、お互いの仕事の忙しさから、自然と連絡は減り、そして途絶えてしまっていた。その直哉が今、目の前に居る‼ びっくりして唖然としている自分と、また直哉に逢えた嬉しさを感じている自分が、心の中に同居したのだろう…普段では到底感じる事の無い鼓動に、心臓が張り裂けそうな感覚を覚えた。 自分の顔を見つめられていた直哉は、 『まぁ、無理も無いか~三年振りだもんな~』 そう呟くと、私の体を抱きしめた。 私は放心状態の様になるのが、はっきり解った。 『智子、今って時間は?』 『もし時間が有るんなら、話さないか~⁉』 直哉の誘いに私は、『うん‼』と言いたかったが、せっかくの直哉との再会なのに、疲れた体と精神状態で話すのは、許せなかった。 直哉に今の仕事の状況を説明して、とりあえず直哉の連絡先を聞き、近々の再会を誓って、その場は別れた。 家路に向かう列車の中で、『まさか、ドッキリじゃないよね⁉』 信じられない偶然の再会に、私は運命的なものを感じていた。
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