子宮からの手紙

ひとりぼっちのクリスマスは南国行きのパスポートでlet's go

――何故バリにしたかって？

グアムはちょっと近い。ハワイはありきたりすぎる。
でも、南国で、海がきれいで、自然が溢れてて、日本語の通じる場所……あとお金も５０万を越すとヤバイ。ってことで、バリになった。

やたらあっつい冷房のきいてない空港を出ると、サーティーワンアイスクリームがあった。でも今は０時。いくら暑くても流石に開いてない。

今の手持ちは、さっきやたら勧誘してくるマネーチェンジャーでルピアに買えた一万円。
あとは日本円とでっけーキャリーに、主に上着でパンパンの手荷物鞄。
日本は３度、こっちは３０度
頭が痛くなりそうだ。

昔海外に行った時はとにかく食べ物があわなくて、ホテルの洋風な食事が天国だった。
だから今回も朝食がバイキングのホテルのツアーを選んだけれど、昼食や夕飯、あとスナックも困ると思って日本のものをこれでもかと詰めてきた。

飲み物は飛行機に持ち込めなくてどうしようかと思ったけど、水はどうやらホテルサービスであるらしい。日本にあるダノンの軟水で、ちょっと安心した。でもなんか乳酸菌はいってそう。腸内環境も心配だし、まあいっか

空港の出口で俺のツアー会社のロゴがプリントされた現地ガイドさんを探す。見つけた時、そこにはもう人が結構集まっていた。

お母さんと娘二人のグループ、夫婦と思われる逞しい男と色白の可憐な女性二人組、キャイキャイとやたらテンションの高い女性三人組、それと、金髪のハーフみたいな男が一人。

どうやらその金髪も一人のようで、歳も近そうだし(外国人の顔は年齢不詳で困るんだけど)なんとなく、話し掛けてみることにした。