不思議な力

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「ふう…」 石崎さんは覆っていた手を退けて、安心したように息を吐いた。 「まったく、女の君がどれだけの魅力を持っているか、分かってないのかい?」 知るか。 確かに可愛いとは思うが、所詮は自分の事だ。 興奮したりなどしない。 してたらただの変態ナルシストだ。 「石崎さんこそ、俺が男って分かってるなら意識する必要ないでしょう」 「無理言わないでくれよ。君は他のアイドルの誰よりも可愛いんだから」 そう言われてもな。 俺にしてみれば他のアイドルの方が可愛いと思うし、俺みたいな元々男だった奴が演じる女の子よりも、女の子らしいと思う。 当たり前だけど。
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