8833人が本棚に入れています
本棚に追加
/338ページ
「すいません、娘の我儘で、こんなお店に、お呼びしてしまって」
「ママさん、違いますよ、副支配人は、スタッフに怒ってるんです」
「スタッフの人に?」
「せっかく、自分が行け無い所に来て、雰囲気を楽しまずに、自分が楽しんでいるから」
Gは見事に、正解を言い当てました。
「良く解ったなぁ」
「この一ヶ月、副支配人を見てましたから」
「よう、助けてくれたよ、ほんまに、助かったわ」
「そうですよ、副支配人は、コテコテの関西弁が、出てこないと、本音がきけませんから」
Gが本当に、嬉しそうに話しました。
「あら、本当に関西弁だわ」
ママが驚いて、私を見ました。
「副支配人は、鏡みたいな人なんですよ」
Gが得意そうに、ママに言うのを、私は苦笑いを浮かべて、聞いていました。
「鏡みたい、ですか?」
ママが、怪訝な表情を浮かべて、Gに聞き返しました。
「最初は、僕に冷たくって、言葉も掛けてくれませんでした」
「そうやなぁ、忙しかったからなぁ」
「オープンの日の、トラブルの一件からですね、僕に関西弁を使ってくれたの?」
「そうやったかなぁ?」
「何でかなって、考えたら、僕の方が副支配人の事を、疑ってたんですよ」
「あなたの方が?」
最初のコメントを投稿しよう!