ドラゴン

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●スラヴ神話 スラヴ神話のドラゴンは、ズメイと呼ばれる。 この竜は人間とよく似た性質を持っている。 たとえば、ブルガリアなどの伝説では、ドラゴンには雌雄があり、人間同様の外見の差異が認められる。 雌雄のドラゴンは、まるで兄弟姉妹のように見えるが、農耕神としては全く違う性質を持っている。 メスのドラゴンは、人類を憎んでおり、天候を荒らしたり作物を枯らしたりして、兄弟であるオスのドラゴンといつも喧嘩をしているとされる。 それに対してオスのドラゴンは、人を愛し、作物を守るとされている。炎と水は、ブルガリアのドラゴンの神格を表すのによく使われ、メスのドラゴンは水の特質、オスのドラゴンは炎の特質とされることが多い。 ブルガリアの伝説では、ドラゴンは3つの頭を持ち、蛇の体に翼を持つ生物とされている。 ロシアやベラルーシ、ウクライナでは、ドラゴンは悪の存在であり、四本の足を持つ獣とされている。 そう高くはないが知性を持ち、しばしば小さな町や村を襲い、金や食物を奪う。 頭の数は1~7つ、もしくはそれ以上であるが、3~7の頭を持つのがもっとも一般的である。 頭は、切り口を火であぶらなければ復活するとされる。しかし、ジランダ、チュヴァシ竜のような例外的に敵対的ではない竜も存在する。 ロシアは中央アジアの遊牧民族の侵攻を度々受けており、そのため中国や中央アジアの竜信仰が伝播されたためである。 ドラゴンの血はとても有毒であり、地表にも吸い込まれないとされる。
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