序ノ章

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序ノ章

――――――遠くから、人の足音がする。             最凶悪人たちが収納されるこの牢屋に尋ね人がくるのは何ヶ月ぶりだろうか。 今度の彼奴はどんな悪事を働いたのだろう。           (否、足音は一人のみ…)         誰かの処刑日か、と思いきや足音の正体、此処の警備員はモモチのいる牢屋の錠を外し、次いで足の枷を破壊した。       その音に、近くの囚人たちはどよどよと騒ぎ立てたが、当の本人は眉一つ動かさずに手鎖以外が外されるのをじっと見ていた。           「将軍の気が変わったか」 「いいや、違う。だがお前が此処から出ることになるぞ。」               「となれば、拙者の本領発揮所、となるか…」 金属が外れる音と、くつくつと笑うモモチの声が、この地下で響いた
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