モモチとホームレス

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繁華街から離れた住宅地といえど、街灯が夜道を照らしているので人影はすぐわかる。 この世界は夜もまるで昼間のようだとモモチは感心すると同時に隠密行動し辛くなるなと思った。 いくら今の時代を知らない自分であっても、あの男が変わり者だということくらいわかる。 だからこそ自分を警戒せずにいたのかもしれない。 おそらく、普通の人間であれば、よい子ゼミナールの篠原のような反応を示すだろう。 人と会うときの姿を成る可く早く心得なければ。 などと考えているうちに、目的地へと到着した。 まず、パンを恵んでもらうこと。 そして、不審な人物だと思われても、もしかしたら話によっては一歩前進するかもしれない。 "ベーカリーショップ しのはら" 看板の電気はとうに消灯してあり 店の隅の蛍光灯だけが点いていた。
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