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平成ノ章(仮)
―――流れてくるのは人、人、人…―
これが濁流とでも言うのならば、江戸市場の人だかりなど、枯れ際の川の流れのように思えた。
見渡す限りに氾濫する色…
鮮やかな世界の流れの中で、本来であれば存在を隠すための闇は明らかに点となって現れていた。
腕の珠では限られた狭い範囲しか見えず、カラーでは映し出されていなかった為、未来には怒涛のように人々がいるとは思いもしなかった。
まるで流星が降るように押し寄せてくる男、女、頭の奥にまで染み渡るざわめき。
ひとまず、流れの外に抜けて建物の影に隠れた。
冷静沈着なモモチでも、この変わり様には少々動じた、が、何もなしに未来にやってきた訳ではない。
(まずは、篠原家を探さねばな…)
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