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確かに、
僕は死んだ。
ー後追い自殺ー
君のいなくなった日常に、
僕は耐えられなくなっていた。
何の為に朝起きて、
何の為に働いて、
何の為に作り笑いまで浮かべて、
何の為に愛想まで振りまいて、
明るく振る舞わなければいけないんだろう。
ー君と雪景色を観に行くはずだったー
僕はその約束を、
僕の生きる最後の意味として、
雪の中で人生を終わらせたはずだった。
ー全部悪い夢だったのだろうかー
見慣れないベッド、
見慣れない部屋。
もしかしたら、
僕は病院にでも運ばれたのだろうか。
気だるい。
酷く喉が乾く。
ここは何処だろうか。
ベッドから起き上がり、
床に足を下ろした。
体が軽い。
跳ねれば、
飛べそうな気さえする。
窓に近いベッドは月の灯りで照らされてはいるが、
どうやらこの部屋はかなりの広さらしく、
反対側は全て闇に覆われている。
見た事もない部屋だが、
なぜか生まれ育った家にでも帰ってきたかのような気分がする。
『目覚めたみたいね』
女の声がした。
意識がまだハッキリしてないせいだろうか。
その声は僕の頭の中から響いてきた気がした。
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