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『そんなに気にするなんて、かぐや様らしくないですよ? いつものかぐや様は何処へ行ってしまったのですか?』
「し、失礼な」
どうやら、今の台詞に込めた意味を理解出来たようで、かぐや様はぷくっと頬を膨らませました。うんうん、心配そうな顔をしてへこんでいるよりも、その表情の方がずっとかぐや様らしくていいですね。
「ハクはかぐやの大事なお友達なのですから、倒れたら当然心配するし、かぐやのせいだったのなら責任も感じますよ」
『おぉ、成長しましたねかぐや様。貴女の9割を占めていた我が儘度が7割まで下がって、代わりに思いやりと責任感が新たに加わったようです』
「えへん!」
私に誉められたと思ったかぐや様は、満足気に胸を反らしてそう言いました。
今の台詞を逆にとると、『今までは思いやりも責任感もなかった』ということになるのですが……そこには気がつかなかったようですね。
『……あ、そういえば今、かぐや様は私のことを“お友達”と言いましたが、正確には“主と世話係”の関係ですよ』
「そんなの堅苦しくて嫌ですよ。もっとシンプルな関係でいきましょう。かぐやとハクは、お・と・も・だ・ち。はい、リピートアフターミー」
『……おともだち』
「良く出来ました」
にっこりと微笑み、私の頭を撫でるかぐや様。ちょ、恥ずかしいんですけど。
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