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『……そうですか。では、私はもう一眠りさせていただきますかね。かぐや様、おやすみなさ──』
「ストオォォップ!!」
毛布を深く掛け直し、目を閉じようとすると、かぐや様の騒音が妨害してきました。
『う、うるさいですよ耳元で! さっきまで私の心配してた人がどうして休養の邪魔をするのですか!』
「渡し忘れていた物があったことを思い出したんです! あと3分我慢してください!」
早口でそう言うと、かぐや様は部屋の隅にあるたんすの引き出しから何かを取出し、再び私の側へ駆け寄ってきました。
あれが、渡し忘れていた物? 一体なんでしょう。
「じゃーんっ!! ハクにプレゼントです!!」
その手の平の上にちょこんと乗っていたのは、美しい青色をした貝殻がついたペンダントでした。
『これ……どうしたんですか?』
「うふふー。綺麗でしょうっ? 本当はこれ、貝殻だけだったんですけど、さっき彰に紐を通してもらってペンダントにしたんです! その方が身につけやすいでしょう? あ、紐を通してもらったのは、彰がお買い物に行く前ですー!」
うれしそうに語るかぐや様。しかし話が唐突で、一体なにがなんだか……。
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