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「……ハク、気に入らなかったでしょうか? それともお節介でしたか?」
私が自分の世界に入り込んでいて、ろくに返事もしなかったので不安になったのか、かぐや様が少しばかり悲しそうに言いました。
『いいえ。そんなことありません。とても嬉しいですよ。ありがとうございます』
「本当ですか!? 良かったです~」
安心したように、かぐや様はほっと息をつきました。このペンダントは、明日から付けさせていただくとしますか。
『それにしても、綺麗な青色をした貝殻ですね。これ、どうしたんですか?』
「そうでしょう? これは、彰に譲ってもらったんですよ」
『ほぅ。……ちゃんとお礼は言いましたか?』
「言いましたぁっ」
『偉い偉い』
「むふーっ」
……喜びを示す一言がそれですか。もっと可愛らしいものにすればいいのに。
「これで、かぐやの用件は終わりです。もう寝ていいですよ。おやすみなさい、ハク」
『はい、おやすみなさい』
またかぐやに頭を撫でられながら、私は心地よい眠りの中へ引き込まれていきました。
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