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*・*・*
「ただいまーっ」
買い物から帰ってきた僕は、食材をキッチンに置いてから姉さんの部屋に向かった。
ハクは目が覚めたかな? さっき確認したら、お粥はまだ手をつけられていなかった。まだ回復してないのかな……。うーん、心配だ。
階段を上り、姉さんの部屋をコンコンッとノックしてから、僕はそっとドアを開けた。
「ハクー? かぐやー?」
中に入ると、そこに広がっていたのはなんとも微笑ましい光景。
「……」
僕が出掛ける前とは打って変わって、眠っているハクの顔色は大分よくなっていた。規則正しい寝息にほっとする。そしてかぐやはベッドの側に座り込み、ハク顔を寄せて気持ちよさそうに眠っていた。
「しかも、手も繋いでるし……」
ハクは子猫だから、かぐやがその手を握っているだけなんだけど、なんだか凄く幸せそうにみえる。
そして、ハクの枕元には貝殻のペンダント。どうやら、今度は忘れずに渡せたみたいだ。かぐや、良かったね。
「──かぐや、ハク、おやすみ」
僕はかぐやに毛布を掛けてから、静かに部屋を後にした。
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