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『はーい、注目。皆さんに発表したい事がありまーす』
ハクが倒れた、次の日の朝。3人でテーブルを囲んで仲良く朝食をとっていると、首から貝殻のペンダントを下げたハクが突然口を開いた。
「……発表? こ、これはまさか『父さん、母さん。俺……結婚したい人が出来たんだ』みたいなノリですか!? 認めません! 認めませんよかぐやは!!」
『変な妄想は1人でやってください』
いつものように、360度全てが謎なボケをかましてくるかぐやに、ハクがピシャリと言い放つ。うん、ハクは完全に本調子だ。昨日はあんなに弱々しかったのに、一晩でここまでよくなるなんて、素晴らしい生命力だな。
「……ハクのお嫁さんは、このかぐやがしっかりと見定めますからね……」
なんだその姑みたいな発言……。そして何故その展開にこだわる?
「で、発表って何?」
炊きたてのホカホカご飯を口に運んでから、ハクに尋ねた。ちなみに今日の朝食は、ご飯と秋刀魚の塩焼きとお味噌汁という和風なメニュー。僕的に、秋刀魚の塩加減が絶妙で満足な出来だ。
『はい。──今晩、私とかぐや様は月に帰ります』
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