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*・*・*
「……ハク」
『なんですか……?』
数十分後、なんとか息を吹き返した僕達はリビングで横になりながら顔を見合わせた。
「月に戻ったら、料理についての教育も初めてくれない?」
『……奇遇ですね。私丁度そう思っていたところです。後で国王様に話を取り付けてみましょう』
「うん、頼むよ」
そのままの姿勢で首をひねってみると、かぐやが隣のキッチンでテレビに熱中しているのが目に入った。どうやら推理ドラマを見ているみたいだ。スーツを着た刑事さんが聞き込みをしながらせかせかと歩き回ってるのが見える。
「ところでさ、改めてかぐやの恐ろしさを知ったわけだけど……」
ハクは苦そうな顔をして、無言のまま頷いた。多分、何も思い出したくないんだと思う。その気持ち、僕のにも分かるよ。
「かぐやのホットケーキを食べた動物、大丈夫かな?」
『…………あ』
一昨日かぐやがトッピングしたホットケーキは僕達の力じゃどうしようもなかったため、仕方なく外に放置して野生の動物に平らげてもらった。もしあのホットケーキもこのマドレーヌみたいだったら、その動物は……!
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