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「何処か、いい場所ありませんか?」
「うーん……。でもさ、やっぱり庭の方がよくない? 同じ場所の方が確率高いと思うんだけど」
かぐやはまだマドレーヌを出したままだけど、微弱な匂いにも慣れてきたし見ないようにしてるからさっきの症状はもう引いていた。
「ね、ハクはどう思う?」
『何処でもいいですから早くソレをしまってください!』
ハクは鼻を押さえて苦しそうに言った。もしかして、ハクは僕よりも鼻がきくのかな? だからこんな微弱でもダメージが……!
「かぐや、早く閉まってあげて!」
「え? どうして?」
「いいから!」
少し不思議そうな顔をしながらも、かぐやは僕の言うことに従ってくれた。ふぅ、これでハクは大丈夫だ。こんな所で、ともに戦ってきた戦友を失うわけにはいかないんだ!
『うう……た、助かった……。そ、それで、何処にするのですか……?』
「ええと……」
「あ、あそこはどうですか?」
と、かぐやが指差したのは、駅の奥に見える小高い丘だった。
「いいね。あそこはここの住宅地よりも木が多いから動物も結構居そうだし、歩いてもすぐ行ける距離だし!」
「じゃあ、早速行きましょうっ」
そうして、僕達は丘へと歩き出した。
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