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「必ず帰ってくる。」
そう言って出て行った貴方。
「必ず帰って来て。」
そう言って見送った私。
本当は、引き止めたかった。
旅になんて行かせたくなかった。
それでも信じているから。
信じていたから、止めなかった。
止められなかった。
あれから3年。
私のとなりにはまだ、貴方の姿は無い。
今何処で何をしているの?
早く帰って来て。
早く旅の話を聞かせて。
私を、一人にしないで。
不意に聞こえた、誰かの足音。
慌てて扉をあけると、そこにいたのは…
「ただいま。」
「……おかえり。」
貴方でした。
茜色の空の下
二人の影が重なった
静かな、秋の夕暮れ…
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