初夏の風鈴

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    呼び込み開始から一時間が経過した。 昨日の場所より人が少ないからか良い結果は未だ出ていない。 マジ場所変えた方がよくないか? でもここで呼び込みをするには理由があるだろうから我慢するか。 「ジュン、ノブ。俺ちょっと煙草吸ってくるから」 「あいよー」 少し気分転換してやる気を出すとするかな。 灰皿、灰皿っと。 「スーッ(-.-)y-~」 初夏だけあって夕方近くてもけっこう暑いなぁ。 こうゆう時はメンソールがスーッとして良い。 「おい、ノブ! あれじゃねぇか!?」 「ついに来たか! この二つの肉眼をフルに見開いて確認しようぞ!」 ジュンとノブが騒がしい。 どうかしたんだろうか? 「おーい。どうしたんだ二人共? おもしろいものでも来たのか?」 何かイマイチ興味が湧かなかったが、煙草を吹かしながら問い掛けた。 あの二人は大したことないことでもテンションが上がるからなぁ。 「ヒロ! お前少し前に編入してきた佐古上って子のこと知ってるか!?」 「知らね」 こんな広い大学で一々編入してきた奴のことなんか知るか。 だいたいそれがなんなんだよ。    
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