初夏の風鈴

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    息を切らしながら俺の所属しているサークル部屋の扉の前に立つ。 『四季』 というサークルだ。 内容は主に写真撮影。 大学生活の思い出を写真に残しておきたいと、友達と話し立ち上げた。 メンバーは先輩達が卒業したり、就職活動で辞めた為三人しかいない。 まぁ二十歳になってからは飲み会の数の方が多い。 どこのサークルもそんなものだろうけど。 扉に手をかけた瞬間、横から眩しい光が俺を捕えた。 「眩しっ! いきなり撮るなよジュン!」 買ったばかりのデジタル一眼レフで俺を撮った男。 「時間ギリギリに来た男を激写! これも思い出になるな~!」 名前は月島准弥(つきしまじゅんや) 大学で初めて受けた講習で仲良くなった二人のうちの一人。 「ったく。そんなことしてないで早く入ろうぜ」 「イエッサー!」 ジュンと一緒に部屋に入ると一人の男がアルバムを見ていた。 でもあれは少し前に買った新しいアルバムだから、まだ写真は入っていないはず……。 「何してんだよノブ?」 「ん? 何ってアルバム見てるんだけど」    
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