初夏の風鈴

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    「ヒロぉ、やっぱ女の子誘おうぜぇ!」 「ジュンに賛成~!」 またそれかよ……。 サークル発足の時からずっと言っているこの二人。 「毎回言ってるだろ? 女入れるなら好きしろって。俺はサークル抜けるから」 この会話何回したことか。 もう次の台詞もわかってる。 「「それはダメだっ!」」 やっぱりな。 何故かジュンとノブは俺がサークル抜けるのを拒絶する。 まぁ引き留めてくれるのは嬉しいのが本音。 「なら女はサークルに入れられないな」 「チェッ! 強情な奴だな! なぁジュン?」 「本当だバカ比呂! 略してバーロー! バーロー! バーロー!」 略しても普通の台詞になってるよ。 もしみんながバカ比呂の略でバーローって言ってたら俺自殺してるね。 「ハイハイ。とにかく今日の講習終わったらまたここに集合な」 「「イエッサー!」」 全くこいつらは。 どうしてそんなに女がメンバーに欲しいんだか。 まぁ二十歳っていう大人の仲間入りする年に彼女いないのは、成人男性としてNGなのかもな。 俺には関係ないけど。 話もそこそこにして俺達三人はバックを抱え、二時限目の授業に向かった。    
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