初夏の風鈴

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    「よし! やるかジュン!」 「了解でヤンス!」 講習が全て終了し俺とジュンは呼び込みの為、キャンパス内の並木道に来ていた。 朝からこのことしか考えてなかったからか、俺とジュンのテンションは最高潮に達している。 並木道の横には小さな池のある広場もあり、人を探すにはもってこいの場所だ。 「とにかくたくさんの人に声をかけよう! ジュン! Youには広場をまかせた!」 「承知! 岩瀬軍曹は並木Wayを攻めるのだ! ではGood Luck!」 俺達は二手に別れて呼び込みを開始した。 ―£― 空が朱色に染まり始めた。 広場にある池の水に夕陽が反射し、キラキラと輝きを見せる時刻。 俺とジュンは広場のベンチに座り、缶コーヒーを片手に成果を報告していた。 「いろんな人に声をかけたけど確かな手応えのあった人はいなかったなぁ。ジュンはどうだった?」 「唯一食い付いてきたのは、被写体が萌え萌えアイドルのみなら参加致しますぅσ( ̄∇ ̄ )ゲフフフ……って言ってきた奴だけだった」 「………」 まだ初日だしそんな簡単にはいかないよな。 少し凹みつつ、俺とジュンはまた明日に望みをかけることにした。    
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