初夏の風鈴

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    今日の講習が終わり、俺はサークル部屋に向かっていた。 早くノブ作のポスターを見たかったのだが、講習が全部終わったあとに見せるとのことだったからだ。 もったいぶらないで早く見せてくれればいいのにな。 でもかなり自信ありげな感じだったから期待大だ。 ―£― 部屋の前に着き扉を開ける。 そこには既にジュンとノブが座っていた。 「おせーよヒロ! このノブ画伯ポスターの熱が冷めちまうわ!」 「罰として可愛い子紹介しろ!」 お前達が来るの早すぎるんだよ。 絶対に講習途中で抜け出しやがったな。 「ハイハイ悪かったよ。んで、早速ポスター見せてくれよノブ」 きっと良い仕上がりなんだろうけど、一応チェックが必要だ。 女子限定募集!とか書いてる可能性あるからな。 まぁ写真サークルに入ってくる女なんてよっぽどの物好きしかいないだろうけど。 一応ね、一応。 「仕方ないな。見ろ! そして讃えよ! これがぁっ! 史上最強のポスターだぁ!」 だいぶ大袈裟な前振りを綺麗に無視しながらポスターを手に取った。    
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