A Day

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「こんな事聞かれるのイヤか? でもな、アレはちょっとヤバいんじゃねーの? 話が出来るなら少し教えてくれないか」  聞いた所でどうもしてやれないかもしれない。だけど、遥季の口から話をしてくれたら、遥季自身気持ちが落ち着くかもしれないと、俺は浅はかにもそんなふうに思っていた。 「うん。でも大丈夫だから…」 「そうやって自分の本音から逃げてるなら、……やめた方いいぞ」  つい、口から出た批判的な台詞を、遥季は頷いて認めた。 「知ってるんだ僕、自分からは何も出来ない」  ぎゅっと、座った膝の上で握った拳の上にパタパタと涙がこぼれ落ちた。  今度は俺が泣かせてしまった。  でも俺が思った本音なのは確かだ。 「ありがとう」 「え?」 「多分、多分ね、そうやって叱ってくれた方が、僕も楽」  思いがけずに礼を言われて戸惑ったが、遥季のそんな姿に、胸が締め付けられるような感じがした。
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