A Day

13/46
前へ
/46ページ
次へ
「なぁ、なんかあったら俺に言えよ。今日から俺とお前は友達。な、いいだろ? 友達なんだから、頼ってくれていいよ、うん」  自分で納得しながらこんな事を言ってみる。ちょっと照れくさい。だから笑ってみた。遥季は目をパチパチさせてキョトンとしている。…そりゃそうだ。まるで小学生のような台詞だ。 「ありがとう。…友達って久しぶりに聞いた。…友達になってくれるの?」  語尾の方は遠慮がちに、でも、俺の目を初めてちゃんと見てくれた。 「おう、友達。あ、ちなみに俺の名前は里中文斗。文斗でいいよ」  そう自己紹介をしたら、遥季はやっと自然な笑みを返してくれた。  …やっぱり、可愛い顔してるかも。  男と分かっていながらも、ついそんな事を思ってしまう。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加