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誠は破り捨て散らばった手紙を綺麗に掃除して、
何事もなかったように、椅子に座り、御守り代わりの【模擬刀】を握りしめる。
「ハァ、【婚約者候補】っていったら、あいつも入るのかな」
誠の脳裏には、幼なじみの顔が浮かんでくる。
小さい時からよく遊んでいた。女の子だ。名前を、
中間心【なかまこころ】という。
「あいつが、来るわけないよな。何年も会ってないし」
誠は窓の外を見上げた。
空はだんだんオレンジ色に染まり始めていた。
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