動きだした運命

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「……話しかけているのに……いい加減答えてくれませんか?」 柔らかな笑顔で、鈴に話しかけるサクヤ。 だが、鈴からの返答はやはり無い。 しかし、鈴から微かに寝息が聞こえる。 「おや……寝ていたのですか。さっきまでは起きていたとばかり思ってましたけど……」 始めは確かに答えてはくれなかったが、後半はもしかしたら寝ていたから答えてくれなかったのかもしれない…… そう思うと、苦笑がサクヤの中からわきあがって来る。 「着いたら、今度こそ話せると良いですね……」 サクヤの呟いた言葉は、鈴に届いたのだろうか。
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