動きだした運命

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「ああ、すいません。私の名前は桐生咲夜。サクヤとお呼び下さい」 青年の態度は丁寧だが、どこか演技めいた所も感じる鈴。 鈴は彼に軽く会釈すると、その横をすり抜けて歩き出そうとする。 そんな鈴の手を唐突にサクヤは掴む。 鈴は驚いた顔をし、サクヤに振り返る。 それに対し、サクヤは穏やかな、しかし、鈴には薄っぺらさと作り物めいた感じがする笑みを浮かべている。 「用があるのは君だから。逃げないで欲しいな」
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