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蝉が鼓膜を響かせるほどの五月蠅さに私は眩暈を覚えた。 真夏の正午は光と影がくっきりと別れ、この部屋は影に支配されているようだ。 ベッドに横たわる祖母は死を目前に控えているのに穏やかな表情を浮かべている。
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